夏の終わりに本のパワー。半径1メートルから始める、緑と言葉のある暮らし

先週末の夕暮れどき、広島のごはん屋さん日日花さんで、贈る本屋イベント『わたしへ、本を。』を開催しました。
ほんのりおだしの香る店内に並んでいたのは、包みを開けるまで中身のわからないブラインドブック。タイトルや著者名といった情報で選ぶのではなく、タグに書かれたメッセージや、包みの佇まいに対して動いた「純粋な、自分の気持ち」で本をお選びいただきました。
自分の感覚をお手元に、一冊の本を選ぶ時間。
それはご自身へ宛てた世界にひとつの贈りものを持ち帰るような、特別な時間だったように感じています。「包みを開いた瞬間、一瞬にして宝物になった。包装を解いた時私のココロも開かれた感覚がした。」といった大変嬉しいお声もいただき、記憶に残る夏の夕べを過ごさせていただきました。
お越しいただきました皆さま、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
タグの言葉、包装紙の雰囲気。あの時、ご自身の心が「これだ!」と反応した理由は、ページをめくっていく中で少しずつ解き明かされていくかもしれません。そのプロセスも含め、ご自身への素敵な贈りものとなりましたら幸いでございます。

さて、大好評開催中の「こころに栄養・夏のブックフェア」も、残り期間わずか、8月末日までとなりました。
年々、夏の暑さがびっくりするほど厳しくなったり、季節のうつろいを感じにくくなったり。変化していく気候や社会の中で「自分らしく、心地よく暮らすにはどうしたらいいだろう?」と考えることが増えた方も多いのではないでしょうか。
そんなときこそ、無理のない「自分サイズ」で居心地を整えてみる。お手元の本を開き、窓辺の緑に目をやり、足元からふと目線を上げて青空や木々を見上げてみる。ほんの少し暮らしの視点を変えるだけで、いつもの風景がどこか違って見えてきたりしますよね。
本日は、そんな夏の終わりの心と身体をそっと整えてくれる素敵な9冊を、期間限定のブックフェアよりご紹介いたします。
半径1メートルから広がる、みどりの時間

『食べられる庭図鑑』良原リエ(著)

広い庭がなくても大丈夫!ベランダや小さなプランターひとつから始められる庭づくり。本書は、アコーディオニストであり、暮らしの達人でもある良原リエさんが提案する、無理なく楽しむ庭づくりの本です。
環境に優しい暮らし、と聞くと、なんだか大きなことに思えて身構えてしまうかもしれません。しかし、この本が教えてくれるのは「野菜やハーブなど、身近な植物を育てて食べる楽しさ」という、誰でも簡単に味わえる至極シンプルな喜びです!

トマトの空き缶や木箱など今あるものを使ったコンテナガーデンの工夫や、簡単なレシピも満載。園芸書以上の魅力あふれる一冊です。読んでいると、お部屋に小さなハーブの鉢植えを置きたくなるはずです。
『はるなつあきふゆのたからさがし』矢原由布子(作・絵)鈴木純(監修)

絵本作家の矢原由布子さんと、植物観察家の鈴木純さんがタッグを組んで生まれた、四季のうつろいと草木の表情がみずみずしく描かれたワクワクが満載の本書。お外でもついついスマホの画面へ視線が向いてしまいがちな私たち。この絵本は、凝り固まった私たちの視界を「ほら、見てみて」と優しくひらいてくれるような一冊です。
足元に咲く草花から、空に向かって枝を伸ばす大きな樹木の変化まで。読んでいると、いつものお散歩道が宝箱に変わります。

「あそこの木の葉っぱ、少し色が変わり始めたね」「この花、どんな香りがするんだろう?」
知識として覚えるのではなく、自分だけの発見の種を見つけて植物と友達になる感覚。夏休みにご家族で楽しむのにも、お散歩好きな大人の方にもおすすめです。ルビつき。
「他者」とつながり、世界をひらく

そしてもうひとつ。
日常の中で誰かと意見がすれ違ったり、「どうして分かってもらえないんだろう」と心がもやもやしたりすることはありませんか?
家族やパートナー、友人、職場の同僚など、身近な方だからこそ「理解してほしい」という思いが強くなってしまいがちですよね。店主の頭の中でも、よく脳内大反省会が開催されています(笑)。
そんなとき、本を開いたり、会話の中で自分とは違う視点や考え方に触れると、自分の中の心の引き出しがひとつ、またひとつと充実していきます。
「そんな考え方もあるんだな」
「だからあの人は、あの時あんな風に感じたのかもしれない」
引き出しが増えるほど、自分自身の心は軽くなり、目の前の人の考え方も自然と尊重できるようになる気がしています。
今回のブックフェアでは、そんなとき何度でも読み返したくなるような一冊もご紹介しています。
『いのちをよびさますもの』稲葉俊郎(著)

美しいものを見たり、触れたりすると、ほっと気持ちが安らぐのはなぜだろう。本書は、領域を超えて活躍する医師の稲葉俊郎さんによる、医療の枠を超えて「いのち」や「身体」の響きあいに目を向けた一冊です。
知っているようで実はよく知らない、自分の「こころ」と「からだ」のこと。不調が出てはじめて、その大切さに気づくという方も多いのではないでしょうか。装丁も美しく、読むだけでじんわりと体温が戻ってくるような温かさがあります。
『料理と利他』土井善晴・中島岳志(著)

「誰かのために」という気持ちは、どこから生まれるのだろう?料理という身近な営みを通して、「他者を思いやること(利他)」について語り合う対談集です。自分の思い通りにならないもの(食材や自然)にどう向き合うか。世界の変化に気おされそうなとき、私たちがいつでも見つめ直し、変えていけるのは「日常の足元にあることから」だと教えてくれるようです。
『建築と利他』堀部安嗣・中島岳志(著)

建築家の堀部さんが掲げていらっしゃる「パッシブデザイン」は、その土地の形状や光、風、土壌、土地の歴史、そこに暮らす生き物や空気の流れなど、今ここに「あるもの」を活かして、あるべき建築の形を整えていくという考え方です。
本書では、自分以外の存在を自分の思うとおりにコントロールしようとしているときには、利他は起動しないという気づきから、お話が始まります。
『ビジュアルシンカーの脳』 テンプル・グランディン(著)中尾 ゆかり(訳)

言語で考える人、画像や抽象的なパターン(ビジュアル)で世界を捉える人。人によって頭の中の「世界の解釈の仕方」が驚くほど異なるということをこの本で知りました。自分と相手の「脳のタイプの違い」を知ることで、相手とのすれ違いすら愛おしい個性に見えてくるから不思議です。
感じ方、考え方が異なるすべての方へ贈る一冊です。
『神様の質問ーきくことは、ぼうけんだ』クエスチョナリー編集部 大久保洋一(著)

親子で読みたい「Q&A集」であり、自分自身と向き合う「哲学書」であり、ふと壁にぶつかったときに勇気をくれる「名言集」でもある濃密な一冊です。
本書は、世界中の子どもたち(5歳〜12歳)から寄せられた素朴で深い“答えのない問い”に対し、各分野の第一線で活躍する40名のスペシャリストたちが全力で答えた一冊です。ひとつの「Q」に対して複数の「A」が並ぶマルチアンサー形式で、思いがけない脱線や寄り道の中にたくさんの発見があります。
「人の数だけ、違う答えがあっていい」そんな当たり前の、けれどとても大切なことを、この本は教えてくれます。
『しんどい日常を生き抜くための文学』小林真大(著)

高校の国語教師である著者の小林真大さんが、「SNS疲れ」や「承認欲求」といった現代特有のモヤモヤを、10の文学作品を通してひも解く入門書です。
この本に、即効性のある答えや解決策はありません。けれど、簡単に答えの出ない問いとじっくり付き合う「体力」をくれます。作家たちが悩みながら「時間」をかけて名作を書き上げたように、本書で「時間」をかけて自分自身と向き合ってみませんか?
『古典の効能』寺田真理子(著)林望(監修)

本書は、本を読むことによる問題の解決や癒しを目的とした「読書療法」を提唱する著者・寺田真理子さんによる古典エッセイです。
1000年前の人々も、私たちと同じように人間関係や恋に悩み、乗り越え、心を整えていたのだと思うと、なんだか心強く感じませんか?現代のものさしから一度離れ、大きな時間の流れの中で自分を見つめ直してみたくなる一冊です。
美しいフランス装にゴールドの箔押しは、本棚にあるだけで嬉しくなります。
「最近忙しそうだな」
「少し悩んでいるのかな」
「この本を読んだら、元気になるかな?」
今回のブックフェアでご紹介している本は、どれも心からおすすめしたい、佇まいまで素敵な本ばかりです。ご自身へはもちろん、大切な方への贈りものにも、自信を持っておすすめいたします!
amaでは、ラッピングの際、お相手のイメージや商品の雰囲気に合わせて包装紙を選びお包みしております。ご希望のお色味やイメージがございましたら備考欄にてぜひお気軽にお聞かせくださいね。▶︎詳しくはこちら
包みを開ける前のワクワク感から、ページをめくる日々の温かな時間まで。大切な方へ、言葉と想いの贈りものを届けるお手伝いができましたら幸いです。

本をひらくお手元から、窓辺の緑、お散歩道の木々へ。
私たちが「心地いいな」「優しいな」と感じる半径1メートルの小さな選択の積み重ねが、巡り巡って暮らしや人間関係を柔らかく整えていってくれるように感じることがあります。
夏の終わりに、ご自身へ、そして大切な方へ。
心に軽やかな風と栄養を届けてくれる一冊を、ぜひお手にとってみませんか?
「こころに栄養・夏のブックフェア」は8月末までの限定開催となります。気になる一冊がございましたら、ぜひこの機会にご覧くださいね。