2014年にAurélia Wolffによって立ち上げられたテキスタイルブランドWHOLEは、パリに拠点を持つ植物染色のスペシャリストです。

植物染色の世界的専門家であるMichel Garcia氏に師事、パリ13区に300㎡のガーデンをもち、そこで原料となる植物を育てたり、染料をつくったり、ワークショップを行ったりしています。昨冬にはフランスの新聞『ル・モンド』のカルチャー誌で特集され、世界中の工芸を伝える『Homo Faber(ホモ・ファーベル)』のプラットフォームに染色職人として加わるなど、そのユニークな手仕事は世界的に注目されています。

 

 

ブランド名WHOLE-ホウル-の意味は、彼女たちが提案している次のスタイルの頭文字から。

WASTE FREE / 資源の無駄使いをやめること
HAND DYED / ひとつづつ人の手を使って染めること
ORGANIC / 原料は全て天然の、オーガニックのものを使うこと
LOCAL / 安心・安全な地元の素材を使い自社で製造すること
ECO FRIENDLY / 自然のサイクルに沿い地球にやさしい生活スタイルを選ぶこと

WHOLEのものづくりは、アイデアからそれを形にするまでこれら全ての要素を満たしており、使う人の快適さと地球のためにと選ばれたオーガニックのメリノウールやコットン、リネンは驚く程柔らか。オーガニックテキスタイルの世界基準GOTSで認証されています。

 

 

そして特筆すべきは自然由来の染料による柔らかく美しい色合い。

色作りは、アトリエの庭や地元のオーガニックマーケット、レストランで野菜の皮や植物を調達しそれらを使い染料を手作りするところから始まります。

WHOLEのカラーは、フランスの繊維研究所 IFTH でテストされており耐水性と耐光性に優れています。彼女たちがつくる染料は水と少量の植物および鉱物添加物(ミョウバン、クエン酸、タンニン、鉄)を使用し、毎日工房で手作業で作られています。また、使用する製品は植物検疫済みで非常に低量で使用されているため環境にも負担がありません。

 

 

天然の素材だけで作られた染料は染める人の手にも優しい。

 

 

色づくりはすべて「自家製」なので、この色を実現できるのは世界中でWHOLEだけ。その日の気温、湿度、原料の植物の収穫時期により仕上がりの色は毎回異なります。使うほどにゆっくりと風合いが変化する、まさに「育つ」ファブリックアイテムです。

 

 

彼女たちは「庭に色彩を植える」アーティストです。

300㎡のガーデンには、現在約100種の染料植物が植えられています。一見自由に生えているように見える植物たちですが、実際の配置は考え尽くされており、中央には色落ちしにくい植物、周囲にはビワやエルダーベリーなどの低木、そして少し先には薬用植物が植えられています。

自ら育てた草花から色を抽出する。

それは、その土地の記憶(テロワール)を布に定着させる行為です。その土地ならではの風土が織りなす色は、例えば同じ茜染めのピンクでも、日本の茜染めや、他の地域の茜染めの色とは全く異なる仕上がりです。WHOLEのコレクションがアートと呼ばれる理由は、そこにある色が「作られたもの」ではなく、自然がその時々に見せてくれる「瞬間の記録」だから。

美しく経年変化するWHOLEのファブリック。パリの庭から届いた生きた色が、身のまわりを豊かな色彩で満たしてくれるはずです。

 

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